お墓は建てることに意味があるのではなく、お参りを続けることにこそ意味があります。そのためにも、交通の便が良く、できれば住居から近い所が望ましいのです。
■お墓とは
今から5〜6万年前、人類の祖先といわれるネアンデルタール人は、当時の氷河期という厳しい生活環境にも関わらず人の死を悼み、丁寧に埋葬を行っていました。墓の上には、たくさんの花を捧げたことも考古学上、明らかになっています。
人類は太古の時代から現代に至るまで、さまざまな形で死者の埋葬を行ってきました。これは地球上のあらゆる民族にみられる宗教的な文化現象なのです。最愛の人を亡くした後、故人の冥福を祈り供養する。お墓とは、残されたご家族が故人との接点を感じ、やがて悲しみを癒していく場所です。お墓とは、人としての心を造形した、人類の大切な遺産なのです。
今から5〜6万年前、人類の祖先といわれるネアンデルタール人は、当時の氷河期という厳しい生活環境にも関わらず人の死を悼み、丁寧に埋葬を行っていました。墓の上には、たくさんの花を捧げたことも考古学上、明らかになっています。
人類は太古の時代から現代に至るまで、さまざまな形で死者の埋葬を行ってきました。これは地球上のあらゆる民族にみられる宗教的な文化現象なのです。最愛の人を亡くした後、故人の冥福を祈り供養する。お墓とは、残されたご家族が故人との接点を感じ、やがて悲しみを癒していく場所です。お墓とは、人としての心を造形した、人類の大切な遺産なのです。
■日本のお墓の歴史
日本においてのお墓の歴史は、旧石器時代に土に穴を掘って遺体を埋めるという、簡単なものから始まりました。
縄文時代からすでに死者を埋葬し、お墓を造る慣習がありました。弥生時代に入ると身分の高い者は木棺や石棺などで埋葬され、身分の格差がお墓の形にも影響を与えていたことがわかっています。古墳時代、大王や貴族などの権力者は、お墓を巨大化し自らの権力を誇示するため古墳を造るようになりました。
鎌倉時代後期から室町時代にかけて、中国から位牌と戒名が禅宗によって伝えられます。現在のお墓の形はこの位牌が原型とされています。江戸時代になると、徳川幕府はキリスト教を弾圧・排除するために「檀家制度」を制定し、全ての日本人がお寺の檀家として所属させられました。これ以降、人々に先祖供養や葬儀・お墓などの仏事が生活の中に根付いていきます。
明治時代、国の基本が「家制度」だったため、家単位のお墓が建てられるようになります。これまでの墓石は、個人や夫婦を対象として、故人の戒名(法名)を正面に彫っていましたが、「○○家墓」「○○家代々の墓」などのような形で祀るようになります。戦後、民法改正により「家制度」は崩壊。核家族化が進み個人主義が浸透している現代の日本。お墓に対する考え方や意識も変化しています。宗教にとらわれない自由なスタイルのお墓や、好きな言葉や詩を刻み、メッセージを込めたモニュメントとしてのお墓を求める方が増えてきています。
日本においてのお墓の歴史は、旧石器時代に土に穴を掘って遺体を埋めるという、簡単なものから始まりました。
縄文時代からすでに死者を埋葬し、お墓を造る慣習がありました。弥生時代に入ると身分の高い者は木棺や石棺などで埋葬され、身分の格差がお墓の形にも影響を与えていたことがわかっています。古墳時代、大王や貴族などの権力者は、お墓を巨大化し自らの権力を誇示するため古墳を造るようになりました。
鎌倉時代後期から室町時代にかけて、中国から位牌と戒名が禅宗によって伝えられます。現在のお墓の形はこの位牌が原型とされています。江戸時代になると、徳川幕府はキリスト教を弾圧・排除するために「檀家制度」を制定し、全ての日本人がお寺の檀家として所属させられました。これ以降、人々に先祖供養や葬儀・お墓などの仏事が生活の中に根付いていきます。
明治時代、国の基本が「家制度」だったため、家単位のお墓が建てられるようになります。これまでの墓石は、個人や夫婦を対象として、故人の戒名(法名)を正面に彫っていましたが、「○○家墓」「○○家代々の墓」などのような形で祀るようになります。戦後、民法改正により「家制度」は崩壊。核家族化が進み個人主義が浸透している現代の日本。お墓に対する考え方や意識も変化しています。宗教にとらわれない自由なスタイルのお墓や、好きな言葉や詩を刻み、メッセージを込めたモニュメントとしてのお墓を求める方が増えてきています。
お墓はいろいろな部分から成り立っています。皆さんはどれだけお墓のこと、知っていますか?
■墓所の名称
■生前墓...生きているうちにお墓を建てるのは縁起が悪い?
生前に建立するお墓を「寿陵(じゅりょう)」と言います。中国では古来より、生前にお墓を建てることは長寿を願う大変縁起の良いこととされていました。秦の始皇帝をはじめ、歴代の皇帝が寿陵を建てていたことが知られています。日本でも聖徳太子や天皇家も寿陵を建てていたことが、『日本書紀』や『徒然草』に記されています。仏教では寿陵のことを「逆修(ぎゃくしゅう)」と言い、生前に自らの冥福を祈り位牌や墓石を用意する行為は功の高い善行とされ、平安時代後期以降盛んになります。いずれも長寿を願う行為として行われていました。仏教には輪廻転生(死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わる)の概念があります。生前に自分の墓所を用意して一度死に、更に新しい生を得ると考えたのでしょう。
最近では家族に負担をかけないとの配慮から、生前墓「寿陵」が一般的になってきました。生前に建墓することのメリットは、納得のいくお墓をじっくり考えて建てられることにあります。家族と共に相談しながらお墓づくりを楽しむことができるのは、生前墓「寿陵」ならではといえるでしょう。
生前墓「寿陵」のメリット
生前に建立するお墓を「寿陵(じゅりょう)」と言います。中国では古来より、生前にお墓を建てることは長寿を願う大変縁起の良いこととされていました。秦の始皇帝をはじめ、歴代の皇帝が寿陵を建てていたことが知られています。日本でも聖徳太子や天皇家も寿陵を建てていたことが、『日本書紀』や『徒然草』に記されています。仏教では寿陵のことを「逆修(ぎゃくしゅう)」と言い、生前に自らの冥福を祈り位牌や墓石を用意する行為は功の高い善行とされ、平安時代後期以降盛んになります。いずれも長寿を願う行為として行われていました。仏教には輪廻転生(死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わる)の概念があります。生前に自分の墓所を用意して一度死に、更に新しい生を得ると考えたのでしょう。
最近では家族に負担をかけないとの配慮から、生前墓「寿陵」が一般的になってきました。生前に建墓することのメリットは、納得のいくお墓をじっくり考えて建てられることにあります。家族と共に相談しながらお墓づくりを楽しむことができるのは、生前墓「寿陵」ならではといえるでしょう。
生前墓「寿陵」のメリット
- 自分の希望する場所・形や色でお墓を建てることができる
- 子どもに負担をかける心配がない
- いざという時に慌てて準備する必要がない
- 節税対策(不動産所得税、相続税、固定資産税)...「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」に関しては相続税は課税されないと定められています。(相続税法12条)つまり、お墓を作るための費用としてのお金を相続すると相続税が課税されますが、すでに出来上がったお墓には課税されないということです。
■お墓を建てる時期
お墓をいつまでに建てるといった決まり(法律)はありません。一般的に遺骨がある場合、忌明け(三十五日、四十九日)や一周忌など、親族の集まりやすい時に合わせて建墓し、法要と開眼供養を同時に済ませることが多いようです。しかしこれも一つの目安ですから、ご家族の気持ちの整理がついた時にお考えになってはいかがでしょうか。
※神式では五十日祭などに納骨をしたり、キリスト教式では月の命日などに納骨することが多いようです。
※墓地使用規則に建墓の期限があります。お墓の使用権取得後、何年以内に墓石を建てなければならないと決められている場合には守らなければなりません。
お墓をいつまでに建てるといった決まり(法律)はありません。一般的に遺骨がある場合、忌明け(三十五日、四十九日)や一周忌など、親族の集まりやすい時に合わせて建墓し、法要と開眼供養を同時に済ませることが多いようです。しかしこれも一つの目安ですから、ご家族の気持ちの整理がついた時にお考えになってはいかがでしょうか。
※神式では五十日祭などに納骨をしたり、キリスト教式では月の命日などに納骨することが多いようです。
※墓地使用規則に建墓の期限があります。お墓の使用権取得後、何年以内に墓石を建てなければならないと決められている場合には守らなければなりません。
■お墓に使う石
現在では、国産材よりも安価で安定的に供給される輸入材を使用する例が多くなってきています。実に国内で使用される石材の90%は輸入材を使用しています。墓石に使用する石の種類は、国産の石で50種類以上、外国産の石は100種類以上あります。石の価格や品質はもちろんですが、産出量や色、柄などの希少性で価格が決まることもあります。
現在では、国産材よりも安価で安定的に供給される輸入材を使用する例が多くなってきています。実に国内で使用される石材の90%は輸入材を使用しています。墓石に使用する石の種類は、国産の石で50種類以上、外国産の石は100種類以上あります。石の価格や品質はもちろんですが、産出量や色、柄などの希少性で価格が決まることもあります。
■墓碑に刻む文字
墓碑に刻む文字は「○○家之墓」や「○○家先祖代々之墓」など、家名を刻むのが一般的です。宗派によっては「南無阿弥陀佛」や「南無妙法蓮華経」など刻む文字に決まりごとがあります。また、真言宗など五輪塔のお墓には梵字を刻みます。
最近は洋型やデザイン墓を建てる方が多くいらっしゃいます。洋型やデザイン墓に刻む文字は特に決まりはなく、故人やお墓を建てる方の好きな言葉を刻むと良いでしょう。
墓碑に刻む文字は「○○家之墓」や「○○家先祖代々之墓」など、家名を刻むのが一般的です。宗派によっては「南無阿弥陀佛」や「南無妙法蓮華経」など刻む文字に決まりごとがあります。また、真言宗など五輪塔のお墓には梵字を刻みます。
最近は洋型やデザイン墓を建てる方が多くいらっしゃいます。洋型やデザイン墓に刻む文字は特に決まりはなく、故人やお墓を建てる方の好きな言葉を刻むと良いでしょう。
- 墓誌に刻む文字...墓誌には故人の戒名(法名)、死亡年月日、俗名、死亡時の年齢(数え年)を刻みます。
- 書体について...書体は楷書体、行書体、隷書体などがあります。またオーダーで現代書家の毛筆を写し、刻むこともできます。
- 家紋について...家紋は家族・同族・家柄・地位などを表す紋章で、家族のシンボルです。日本固有の文化を大切にしたいものです。
- 彫刻(花柄やレリーフ)...墓碑には文字だけでなく花柄やレリーフを彫刻することもできます。無機質な石に華やかさを演出します。
■お墓の移転(お引越し)
「住んでいる場所から実家のお墓まで遠くてなかなかお参りができない」などの理由で、お墓の引越しをすることを「改葬」といいます。改葬には下記のような手続きが必要です。
「住んでいる場所から実家のお墓まで遠くてなかなかお参りができない」などの理由で、お墓の引越しをすることを「改葬」といいます。改葬には下記のような手続きが必要です。
●返還の手続き...墓石を解体し、お骨を改装した後は、墓所の返還をしなければなりません。
- お墓の撤去...石材店にお墓の撤去を依頼します。
- 返還届...墓地使用許可証(原本)を持参の上、前のお墓の管理者へ提出します。
※墓所、市によって手順や提出書類が異なります。詳しくは市町村衛生課等にお問い合わせ下さい。
■宗 派
六世紀の飛鳥時代、我が国に伝来した仏教は、奈良時代に南都六宗と呼ばれる学問としての仏教となり、生活・文化だけでなく政治的な影響も与えるようになりました。後に唐で学んだ最澄・空海により天台宗・真言宗が開かれ、平安仏教と呼ばれる密教の時代になります。鎌倉時代になると、一遍・法然・親鸞・日蓮らが我が国独自の仏教を開き、庶民にも定着するようになりました。
六世紀の飛鳥時代、我が国に伝来した仏教は、奈良時代に南都六宗と呼ばれる学問としての仏教となり、生活・文化だけでなく政治的な影響も与えるようになりました。後に唐で学んだ最澄・空海により天台宗・真言宗が開かれ、平安仏教と呼ばれる密教の時代になります。鎌倉時代になると、一遍・法然・親鸞・日蓮らが我が国独自の仏教を開き、庶民にも定着するようになりました。
※現代において一般的だと思われる宗派の一覧です。